バリ暦のひとつウク暦。210日が1サイクル。これには、こういうお話があります。ストーリー展開に強引な箇所がありますが、そこはご愛嬌。
その昔ジャワにシンタという女性が聖職者と寝た夢を見て、妊娠し男の子を出産しました。
ある日、利かん坊のその男の子にカッとして、頭を叩いてケガをさせてしまいました。
男の子は家出をし、嘆き悲しんだ母親シンタはそれから何年も彼を捜しまわります。
一方男の子は大人になり苦行をし、苦行したその山から強力な呪力を得てワトゥグヌン(山の岩)と呼ばれ、ギリンウェシ国(鉄の山の国)の王となりました。
やがて妹のランダップと共に、息子を捜しまわっているシンタは偶然そのギリンウェシ国にやって来て、息子であるワトゥグヌンに会いますが、お互い親子とは気付かず、しかもシンタ、ランダップ姉妹はまだ美しかったのでワトゥグヌンは二人共妻にして実の母と叔母との間の27人もの子供をもうけました。
ところがある日、シンタがワトゥグヌンの頭の傷を見て自分達が近親相姦を犯してしまったことに気付いたのでした。
近親相姦の呪いから免れ災いを避ける為にはワトゥグヌン自らが神になり、罪を正当化するしかない。
打開策はワトゥグヌンが女神の一人を妻にすることによって神となること。彼はウィスヌ(ウィシュヌ)神の妻デウィ・スリに求婚しました。
当然の事ながら求婚を拒絶されると神々に対し宣戦布告しましたが、ウィスヌ神に惨敗し殺されました。
ウィスヌ神は彼の27人の子供を7日毎に一人ずつ殺せ、と部下に命令し、シンタは7日間泣き明かし死んでしまいました。
それでウィスヌ神は亡くなったシンタ、ランダップ、ワトゥグヌン、そして27人の子供達、計30人分、30週の暦(7日×30週=210日)を作り上げ、勝利の永遠の証としました。
この暦のことをプウコンPAWUKON(ウクWUKU暦)といい、30の週(ウク)にはそれぞれシンタ、ランダップ、各27人の子供達の名前、最後にワトゥグヌンの名前がつけられ今尚バリで使われています。尚、太陰暦(サカ暦)、私たちのグレゴリオ暦も並行して使っているもんだから、バリカレンダーは複雑の極み!
ちなみにシンタとワトゥグヌンの物語はミゲル・コバルビアス著「バリ島」より
写真は今年のバリカレンダーより(ちなみに今週5月4日〜10日は第26週目、彼らの子供の一人UGUの週。来月1日〜7日がワトゥグヌンの週、次の8日からシンタの週。